ベトナム 外国人労働者への政策緩和

ベトナムで仕事に励む外国人のビザや就労許可に関する規則が、この数年で頻繁に変更されています。政策や政策の実施について僅かに変更されるため、規則に関する現在の状況は、ホーチミンで暮らす外国人居住地や社交場でいつも出てくる話題です。

就労許可申請手続は時間のかかる複雑な作業で、多くの書類に、多くの事業所から承認をもらって提出する必要があります。健康診断書、犯罪歴証明書、資格証明書(そして当然、高等教育終了証明書の原本で、自宅やオフィスの壁に飾ってあるもの)などです。

今週初め、在越就労外国人を管理するための新たな規則が発表されたことを受けてざわつきが起こりました。

グェンタンズン首相が承認した法令によると、最低でも学士号を持っていて、それぞれ自分の専門分野で3年の実務経験がある人は、就労許可を取る必要がないというのです。この新規則は社内異動でベトナムにやって来る人にも該当します。

ベトナム労働傷病兵社会問題省によると、ベトナムにはおよそ7万4,000人の外国人労働者がいます。そのほとんどは近隣諸国からの技術を持たない労働者たちです。けれども、就労許可申請手続きは分かりにくく、ビジネス上の重荷となり、高い技術力を持つ外国からの人材を求める多国籍企業やその他の組織にとっては不満の種となっていました。

新規則は高校や大学の教師にも該当し、就労許可申請を免除されることとなります。
ただ、この新規則の表明と同様、実際には曖昧な点があります。政策を打ち出すことと、実際にその政策がいつどのように施行されるかということは別物であることが多いのです。

新規則は、ベトナムでの1年の労働日数が30日以上・90日未満の人が該当するとの報道がありますが、もしそうなら、規則は、短期でベトナムに滞在するコンサルタントのために考えられたものだということが分かります。

何よりも明らかなのは、外国人は、ビザやその他の必要書類を揃える必要がまだあるということです。ただ、(ベトナム移民局が所属する)公安省が認めるなら、まだどうなるか分かりません。

担当機関はまた、ベトナム人労働者を国際競争から守ることで頭がいっぱいです。ある官僚は外国人労働者がベトナムで働くことができるようベトナム語のテストを設けるべきだと提案しています。そうなれば事実上、公平かつ効率的に外国人労働者のほとんどを除外することができるからです。

ASEAN経済コミュニティの一角として、ベトナムはすでにASEAN一帯の人材の流れの一部になっています。ベトナムは経済の急成長に伴い、世界中から訪れる技術と知識を備えた労働者が流入することで、利益を得ることができるでしょう。市場経済を復活させてから30年、ベトナムは今もかつての遺構と新しい現実の調和を試みています。