ベトナム各航空会社 パイロットの賃上げ実施

ナショナルフラッグキャリアのベトナム航空は、6月1日付けで同社のパイロットの賃上げを実施しました。賃上げ料は各航空会社によって異なります。
ベトナム交通運輸省に出された報告によると、B787機およびA350機の国内線の機長は、月額2億500万〜2億4,600万ベトナムドン(9,318〜11,181米ドル)支払われることとなります。また、ベトナム人副操縦士の給与は、月額1億2,400万〜1億5千万ベトナムドンとなります。

A321機では、ベトナム人機長の給与月額は1億7,600万〜2億3,600万ベトナムドン、副操縦士は1億〜1億3,500万ベトナムドンとなります。
また、ATR機のベトナム人機長には1億5,600万〜1億8,600万ベトナムドン、副操縦士には7,500万〜9,100万ベトナムドンが支払われます。

交通運輸省への報告では他にも、公認の操縦士試験官には2億1,000万〜2億9,700万ベトナムドン、型式限定の教官には1億9,800万〜2億8,400万ベトナムドンが支払われることになるとされています。
同航空会社は、操縦士の給与について、ひと月あたり100万〜600万ベトナムドンの増額も予定しています。機体のタイプによって金額は異なります。
さらにベトナム航空は、このような給与水準で、操縦士の手取り収入が同航空に勤める外国人操縦士の収入の70%を占めることになると付け加えています。

現時点で、B787機の外国人機長には月額2億6,500万〜2億6,800万ベトナムドン、副操縦士には1億8,100万〜1億9,900万ベトナムドンの給与が支払われることになる予定です。また、A350機の機長には2億3,800万〜2億6,600万ベトナムドン、副操縦士には1億6,300万〜1億8,700万ベトナムドンが支払われます。

ベトナム航空社長のズン・チー・タイン氏によると、同社は現在、1,138名の操縦士を抱えており、そのうち853名がベトナム人、285名が外国人だということです。
またこの3年で、世界の、特にアジアの航空セクターが著しい成長を見せているため、操縦士の需要が高まっていると言います。そんなわけで、良い条件を求める操縦士が多くいます。

ベトナム航空では、2015年から2017年の間に223名もの操縦士が辞めてしまったため、今年の5月まではわずか33名しかいませんでした。
同社は今年の初めごろから64名の航空機搭乗員を採用しています。
ベトナムの民間航空管理局によると、ベトナム航空は現在、175の機体を操業しており、その機体数は2020年までに220機、2030年までには400機にまで増やすとされています。

そのため2030年までには、ベトナムの航空セクターは毎年200名近くの操縦士の増員が必要となるでしょう。
航空訓練センターでの操縦士訓練は年間100〜120名ほどまでしかできません。したがって航空会社は海外から操縦士を採用しなければならなくなります。ただ、航空業界ではこのようなことが当たり前であるのも確かです。